アディクションとは

アディクションとは嗜癖・依存を意味します。アルコール・ギャンブル・薬物・インターネット等に夢中になり、コントロールを失い、健全な日常生活に支障をきたすようになった状態です。 依存症は精神科の病気ですが、それを周囲に理解されることは難しく、本人も家族もたいへん苦しみます。

依存症の治療には、精神科の専門外来受診や自助グループへの参加が望まれます。

アディクション・依存症のなかで代表的なものに「アルコール依存症」があります。

アルコールは身近にある依存性薬物の一つです。個人の嗜好や社会的な慣習のなかで容易に乱用状態になり、やがて依存症に至ります。

「飲酒」は日本において、伝統・文化・社会的慣習の中で、実に肯定的にとらえらています。「一緒に酒を酌み交わしてこそ心からわかりあえる」「酒も飲めない人間は信用できない」「正月には酒を飲むものである」 お酒を飲める人にとっては、それは事実かもしれませし、とても大切なことかもしれません。

しかし、この世の中には、もう2度とお酒を口にしてはいけない人がいます。それが、アルコール依存症という病気に なった人です。

一度依存症になると、もう2度と 「ほどよく飲む」 ことができません。1杯でもアルコール飲料を口にすると、コントロールを失い、とことん飲んでしまいます。

その一方で、アルコール依存症という病気になった人でも、お酒さえ飲まなければ(=断酒)、家庭生活を送り、仕事をし、普通の平和な毎日をすごすことができます。そういう意味では、数ある精神疾患の中でも非常に予後の良い病気です。