定期総会が無事終わりました
二神です。お久しぶりです。定期総会が7月3日に無事終わりました。以下、議案書に載せた昨年度総括と今年度方針です。
2014(平成26)年度総括
平成26年度は、当法人が初めて通年で活動できた年であった。昨年度定期総会で承認された事業計画に従い、大別して「関係する医療機関、行政機関とのネットワーク構築事業」と「依存症に対する広報啓発活動」の2種類を実施した。事業経費は高知県より自殺対策強化事業費補助金を受けることができ、これを活用した。
まず、「関係する医療機関、行政機関とのネットワーク構築事業」については、一昨年度視察したネットワーク先進地(三重県四日市市)のモデルが高知県にも該当するかどうかを確かめるため、高知市の3次救急を受け持つ3病院の救急部門にアンケートを行った。アンケートの内容は、救急スタッフがアルコール絡みの症例を受け持った場合にどんな経験をしどんな感情を持ったか、あるいは現に持っているかを問うもので、これを集計し報告会を行った。
次に「依存症に対する広報啓発活動」については、視覚的に訴えるため写真を大きく使った新聞広告や、インターネット動画サイトへの動画投稿などを行い、同一内容を別手法で訴えるメディアミックス効果を意図した。広告の性格上、効果を定量的に計測できるものではないが、管見できた範囲では概ね好評であった。
反省点としては、昨年に引き続き事業内容がアルコール依存関係に偏っており、薬物、ギャンブルその他の依存へのアプローチがほとんどできなかったことである。今後の課題としたい。
AKKこうち これまでの活動経過の概要
2013年
3月 | AKKこうちのNPO法人化手続き開始 |
6月 | 任意団体AKKこうちとして県自殺対策予算申請し、交付決定 |
7月 | 12日 NPO法人「AKKこうち」設立総会(12日) |
8月 | 「K+」に「Kazokuちゃん」第1回掲載 |
9月 | 「K+」に「Kazokuちゃん」第2回掲載 |
10月 | 「K+」に「Kazokuちゃん」第3回掲載 |
11月 | 14日 NPO法人登記完了(14日=法人設立日)「NPOになりました」と作中で報告 |
2014年
2月 | 「Kazokuちゃん」連載4回分をまとめたリーフを発行、県内医療機関、行政に配布(主に精神科関係) |
3月 | 7?8日 四日市視察(4名)27日 四日市視察報告会(高知共済会館) |
6月 | 2014年度高知県自殺対策補助金(約100万円)交付決定 |
7月 | 4日 第1回通常総会 |
8月 | 県政情報誌「さんSUN高知」8月号に酒害啓発広告掲載 |
9月 | 高知市内3次救急3病院に「救急とアルコール患者」に関するアンケート依頼18日 FM高知にて酒害啓発の生CM放送(午前午後各1回、それぞれ1分)
21日 高知新聞朝刊に酒害啓発広告掲載 |
2015年
3月 | インターネット動画サイトに、酒害啓発動画3本を順次公開15日 県精神保健福祉センター主催の「アディクション・フォーラム2015」に参加。 |
6月 | 2015年度高知県自殺対策補助金(約100万円)交付決定 |
7月 | 2015年度高知県自殺対策補助金(約100万円)交付決定3日 第2回通常総会 |
2015(平成27)年度方針
平成26年度は、アルコール依存症に関わる者すべての悲願であった「アルコール健康障害対策基本法」が6月より施行され、アルコール依存症対策に頼もしい足がかりができた年であった。ただ同法はあくまでプログラム法案なので、同法に基づいた具体的方策は今後、国から県、県から市町村へとトップダウンで下りて来、最終的には各地元の実情に応じた実行体制の構築が求めらるであろう。アルコール依存症側の最前線での受け皿的活動には、言うまでもなく断酒会他の地元に根差した自助グループが長い歴史を持っている。現に断酒会では、国の動きを待つことなく、地元視点でのボトムアップによる施策を求める請願活動を既に実施している。本法人は、自助グループと良好な関係を保ちつつ、これまでどおり自助グループにはそぐわない活動やこぼれ落ちているニッチな活動を通じて同法の一日も早い具体化に協力する。
ただ、法律の施行を単純に喜んでばかりもいられない。これまで当法人が受けてきた県の補助金は、元をたどれば自殺対策緊急事業に発している。アルコール依存症者は自殺リスクが高いからという理屈である。国を挙げて取り組んだ甲斐あってかここ数年自殺者はやや減少し、2012(平成24)年以降の直近3年間は年間3万人を下回った。国のスタンスも若干変化し、若年者の自殺対策へシフトしてきている。若年者の自殺は概ねアルコールとは無関係なので、アルコール関連に対しては自殺対策補助金のハードルは高くなるであろう。他方、アルコール健康障害対策基本法に基づく、自殺対策を経由しないアルコール問題直結の補助金等はまだ未整備である。
以上の理由から、本法人は補助金に頼らない自己資金の充実を常に念頭に置く必要がある。現状の自己資金は会費収入しかなく、年間1万数千円というのが実情である。定款上は賛助会員(年会費5000円)という制度があるが、今まで利用されたことがない。今年度は賛助会員獲得にも尽力したい。そのためには県内各医療機関、行政機関等に実際に足を運んで、もっと本法人をPRし賛助の依頼を行う必要がある。幸い、本法人の知名度は少しずつ上がってきているので、これまでよりは話がしやすい環境になっていると思われる。また、昨年度行った3次救急病院へのアンケートは、現在分析、考察を行っており、秋に学会発表を行う予定である。こうした実績を作ることでも本法人の信頼度、知名度は上がるものと考える。
なお、昨年も書いたが、本法人の対象は本来はアルコールに限らずアディクション問題全般である。現在は、多少は知識、経験のあるアルコール問題に活動が偏重しているが、他のアディクション問題(ギャンブル、薬物など)とクロスする例などを足がかりに、これから学んでゆかねばならない部分が多くある。このことは重ねて肝に銘じたい。
具体的な事業計画は以下のとおりである。
- アルコール依存症者本人によるイラストを中心とした展示会の開催
- 大規模商業施設における依存症相談会の実施
- 高知県版アルコール依存症関連ネットワーク作りに関する調査と研究のための学会参加
- アルコール医療ネットワーク作りを目標とし、まず現状を把握するために県内諸機関(医療、行政、消防、教育など)へのPR活動
というわけで、今年度(AKK高知の会計年度は7月〜翌年6月)もがんばっていきますので、よろしくお願いいたします。
代表兼事務局兼雑用係としては、会合が終われば総会が終わった訳ではなく、諸書類の県への届け出が終わってやっと「総会終了」になります。その部分は現在進行中です。書類は続くよどこまでも♪