NPO設立まで
二神です。別団体を作ろうと思い立った理由は前回書きましたが、その後NPO設立までのことを簡単に書いておこうと思います。
1年近く前、今参加している断酒会とは別に団体の設立を考えていると周辺に表明した時、いちばん気にされたのが「新断酒会」を作ろうとしているのではないか、言い換えれば今の断酒会が気に入らないから別の断酒会を作って自分たちで運営しようとしているのではないか、ということでした。断酒会関係からもそうでしたが、何より医療機関からご心配をいただきました。アルコール依存症と取り組む医療機関(精神科の病院)には程度の差こそあれ、これまで長年築いてきた断酒会との関係があり、断酒会の院内例会を持っているところも多いですから、どこの馬の骨だか分からない新団体がウロウロすることで既存の断酒会との関係が悪くなっては困る、ということです。新断酒会設立なら腐るほど前例があり、当初はともかく長い目で見て成功したためしがないからやめておけと言われたこともありました。
断酒会員としてのありようを変えるつもりはない。例会や研修会にはこれまで同様に一会員として参加する。もちろん新団体で例会などやらない。事例相談に至っては人的にも時間的にもやりようがない。自分たちがやりたいのは、今のところ断酒会からも行政・医療からも手がついていないニッチな領域もしくは手段での依存症啓発活動とネットワークづくりだと、繰り返し説明して回っても、どうも相手方はピンとこないことが多かったようでした。結局は「よく分からないけど、まあややこしくなりそうなことは考えていないらしいから静観しよう」と考えられたのではないかという気がします。 高知県のNPO関係の支援センターを初めて訪問したのが今年の3月11日。まったくの素人で右も左も分からないまま準備を始めました。それから本業の合間をぬってNPOセンターに見てもらいながら書類を書いては直され書いては直され(Eメールというものがあって本当に助かりました。メールが使えなかったら、きっとまだ終わってないでしょう)、やっと「県へ出してもいいでしょう」とOKが出たのが8月末。しかし、しっかり準備したおかげで(NPOセンターのTさん、本当にお世話になりました)、県のチェックはすんなり通り、すぐに2ヶ月の縦覧期間に入ることができました。 そして県から設立認証が下りたのが11月11日、認証書をかかえて法務局に行って法人登記の手続きをしたのが同14日。若干書類不備があって、登記完了の通知は19日でしたが、登記日は手続日に遡るので、14日付の登記完了です。
それで一段落かと思ったら税金関係の届出は必須と言われ、税務署、県税事務所、市役所市民税課と3ヶ所(高知県はNPOの県税均等割分は条例で自動免除なのですが、なんか不安だったので県税事務所にも顔は出しました)回って終わったのが12月2日。自己申告とはいえ資産0円の法人に何をと思いますが、この先儲ける事業をしない保証もないので、とにかく法人ができたことは把握しておくというのが税務業務というものらしいです。ヒジョーにキビシーッ!(という財津一郎さんの口調が浮かんでくるのでも歳が知れますね)。 一方、NPOセンターからは、重要書類の整理シートや今後の運営に便利な早わかりチャートなどをセットにした「NPO法人運営ファイル」の贈呈第一号として(今回新しく作ったそうです。こんがらがる法人が多いんでしょうね)、私の職場まで届けてくださいました。
以上が、設立までのざっとした経過です。法人年度は7月1日から6月末にしてあるので、決算まではまだ間がありますが、間に4月には市民税の減免申請をちゃんとしないと、法人税均等割月額5千円×4ヶ月(12〜3月。11月分の端数日数は切捨て)=2万円が課税されます。決算が終わったらまた書類を出さないといけません。こうした手続きは、法人がある限り、実際に払う税金はなくてもシジュフォスの石運びのごとくずっと続くわけです。【二神啓通】